遠隔バックアップの重要性が高まる中、災害時や計画停電といったリスクに備えるためのシステム対策は、多くの企業にとって喫緊の課題となっています。株式会社TOPでは、Nutanixを導入した後、ミテネインターネットのインフラを活用した遠隔バックアップの体制構築を進めました。今回の取り組みによりバックアップ運用の安定化と効率化を実現し、災害時の事業継続性を強化する成果が得られています。
本記事では、株式会社TOPの総務部システム担当として導入を統括した横澤憲文様に導入背景や課題、そして今後の展望について詳しくお話を伺いました。
同社のシステム運用責任者として、システム企画や設計、運用管理を担当。2003年に株式会社TOPが設立された当初より、基幹システムの導入や運用に携わり、製造現場のシステム安定性向上や効率化の推進に取り組む。災害対策や事業継続計画(BCP)の強化を視野に入れたシステム構築も行うなど、幅広い分野でシステム運用を支えている。
横澤様:私たちの会社では、製造業の特性上、サーバーの停止が即座に製造ラインの停止を意味するという課題を抱えておりました。特に災害発生時や計画停電時には、システムが停止するリスクが高く、事業継続性の確保が大きな課題として浮上していました。
従来のバックアップ体制では、オンプレミスの機器を用いて同一施設内でバックアップを保管していましたが、施設自体が被害を受けた場合にはデータを保全できないという大きなリスクがありました。そのため、データの外部拠点への保管が急務であると考えるようになりました。
横澤様:バックアップを外部に移すことで、施設内での保管に伴う災害リスクを軽減できることが最大の理由です。Nutanixのスナップショット機能を活用することで、データの圧縮保存が可能であり、これを外部データセンターに持っていく仕組みが理にかなっていると考えました。結果として、コスト面での合理性も見込めると判断しました。
また、ミテネインターネットさんは地元に拠点を構える企業であり、迅速な対応力と信頼性を兼ね備えている点も重要な決定要因となりました。実際にサービス基盤が整っていく過程でも柔軟に対応いただき、当社のニーズに沿った形でバックアップ体制を構築することができました。
横澤様:現在はふくいデータセンターを活用した遠隔バックアップ体制を構築し、災害時にもデータの安全性を確保できるよう備えています。Nutanixのスナップショット機能により、データ転送が効率化され、圧縮によるコストの削減も期待されています。
横澤様:Nutanixの「Prism」という管理ツールを使うことで、バックアップの進捗やエラーの有無を確認できる仕組みが整ったため、運用の効率化が進みました。現在では、NutanixのPrismを通じて警告やアラートを自動的に受け取ることができるため、日々の運用負荷が軽減されています。また、計画停電時に必要だった機器のシャットダウンや再起動作業が不要になり、対応負担が軽減された点も大きなメリットです。
横澤様:当初はサービス基盤が整っていない段階でしたが、ミテネインターネットさんとも段階的に調整を進めながら、現在の遠隔バックアップ体制を構築するに至りました。最初は不安もありましたが、パートナーのサポートにより段階的に運用を進められたことが大きかったです。特に、導入コストを抑えながら災害リスクを軽減できた点は、非常に評価しています。
横澤様:「Nutanix Prism」を通じて、バックアップ運用を可視化できる仕組みが整ったおかげで、システムが順調に稼働していることを確認しながら日々の業務に取り組めています。システム自体は安定して稼働しており、日々の運用でも大きな問題は発生していませんが、引き続き復旧手順や訓練なども通じて、さらなる安心感につなげていきたいと考えています。
横澤様:ミテネインターネットさんは、地元密着型の企業として非常に柔軟に対応していただけるだけでなく、技術力にも優れている印象を受けました。今回のプロジェクトでは、遠隔バックアップの基盤が整いつつある段階で相談を進めていきましたが、必要な機能については、ミテネインターネットさんとともに設計段階から構築を検討することができました。
横澤様:地元に拠点があるという特性から、緊急時でも迅速に対応していただける点が非常に心強いです。災害対策を強化するうえで、信頼性が高く、柔軟にサポートしていただけるパートナーがいるということは大変重要だと思います。引き続き、より良いパートナーシップを築いていきたいと考えています。
横澤様:今回の遠隔バックアップシステムの導入により、データ保護と災害対策に向けた基盤が一定程度整いつつあります。現在はシステムの安定性を確認しながら運用を進めており、次のステップとして、実際にバックアップを活用する復旧訓練の実施を検討しています。今後、災害やシステム障害に備え、より実践的な対応体制の整備を目指していきたいと考えています。
横澤様:今後は、バックアップデータを用いた復旧の流れをシミュレーションする訓練の実施を検討しています。災害や障害が発生した際にも対応できるよう、バックアップからのリストア作業を実際に行い、その手順や対応体制を確認する機会を設けたいと考えています。現時点では訓練内容や実施頻度については調整中ですが、必要に応じて段階的に進めていく予定です。
横澤様:今回のプロジェクトを通じて、災害や停電といった不測の事態に備えるためには、システムの安定性を追求するだけでなく、復旧に向けた仕組みや訓練が重要であると改めて感じました。また、システム構築を進める中で、柔軟に対応してくださるパートナーの存在が非常に重要であることも実感しました。特にミテネインターネットさんには、遠隔バックアップ体制を整備していく過程で柔軟な対応をいただき、大きな助けとなりました。
横澤様:現在、自然災害や停電といったリスクは増加傾向にありますが、データ保護のための体制を整えることは、どの企業にとっても重要な課題だと思います。ぜひ、信頼できるパートナーとともに、自社に最適なシステムを構築し、業務の継続性を高める取り組みを進めていただければと思います。