トランジット/ピアリングとは

はじめに


現代社会においてインターネットは広く一般に普及し、多くの人にとって公私問わず生活に欠かせない存在となりました。今やパソコンやスマートフォンさえあれば、世界中の人々と瞬時にコミュニケーションが取れて当たり前の世の中になっています。しかし、こうしたインターネット通信はどのようにして実現されているのか、疑問に思ったことはありませんか?
私たちがインターネットを快適に使えるよう、人知れず陰で支えているのが「トランジット」や「ピアリング」といった仕組みです。

本記事では、改めてインターネットとは何なのか、そしてその通信を支える重要な要素である「トランジット」や「ピアリング」について説明していきます。


そもそも「インターネット」とは?

現在のインターネットの起源は、1969年にアメリカで運用が開始された「ARPANET(アーパネット)」までさかのぼります。ARPANETは、米国内にある4つの大学や研究所を接続したもので、現代と比較すると限られた人のみが利用できるインターネットでした。その後、日本でも1984年に国内の学術機関同士を結んだ「JUNET(ジュネット)」が構築され、これが我が国におけるインターネットの始まりとされています。

当初、インターネットは商用利用が制限されていましたが、1990年代に商業サービスとしてインターネットの提供が開始されると、次第に一般のユーザーにも広まり、現在のように幅広く利用されるまでに至りました。

では、そもそも「インターネット」とは一体何なのでしょうか?

普段私たちが仕事で部署内の人とデータの共有ができているのも、社内にあるパソコンやサーバなどの機器同士が有線ケーブルやWi-Fiで接続されているおかげです。このように、複数のコンピュータが互いに繋がりあっている状態のことを「ネットワーク」と言います。 そして「インターネット」は、地球規模で無数のコンピュータが繋がった巨大なネットワークのことを指します。世界中に通信回線を張り巡らせることで、遠く離れたコンピュータ同士での情報のやり取りが可能となり、私たちはオンライン上の様々なサービスを享受することが出来ています。

インターネットの構造

インターネットは非常に広大なネットワークのため、とても一つの組織だけで管理しきれません。そのため、ISP(インターネットサービスプロバイダ)などの組織が協力し合って管理することで、インターネットは運用されています。各組織が管理しているネットワークのことを「AS(自律システム)」と呼び、インターネットは複数のASが相互に接続することで成り立っています。なお、ASにはそれぞれ一意の番号(AS番号)が割り振られています。例えば、弊社のAS番号「AS17961」はインターネット上でも公開されており、この番号を見ることでどこのネットワークなのかを識別できるようになっています。

インターネットを管理しているISP(インターネットサービスプロバイダ)ですが、規模に応じて「Tier(ティア)」という階層に分類されます。一番上のTier1は、インターネット上のすべての通信経路(フルルート)を保有する、世界でごく一部の限られたプロバイダだけが属します。続くTeir2、Tier3とどんどん規模が小さくなり、下位のISPは上位のISPから通信経路を共有してもらうことで、自社のユーザーにインターネット接続サービスを提供しています。

トランジットとは?ピアリングとは?

前述で述べたように、インターネットはAS間で相互接続することで成立しており、その接続方式として用いられているのが「トランジット」や「ピアリング」です。

トランジット
まず「トランジット」とは、あるASが他のASに対し通信経路を提供することです。例えば、フルルートを所持していないTier2やTier3のようなISPは、自分で管理しているネットワークだけでは接続できないASが出てきます。そのようなISPに対し、Tier1などの上位のISPが通信経路を提供するのがトランジットです。これにより、トランジットサービスの利用者は、提供元のネットワークを経由することで、その他のASにアクセスできるようになります。トランジットでは、データの通信量などに応じて利用料金を支払うのが一般的です。
ピアリング
一方の「ピアリング」は、AS同士を物理的に接続することで相互にトラフィックを交換する方法です。基本的にインターネットは経由するASが多くなるほど遅延が発生し、通信品質にも影響が出ます。しかし、ピアリングを結ぶことで最短距離でデータの受け渡しが可能となるため、インターネット通信の速度向上につながります。また、直接接続することでトランジットを経由する通信が減り、その分トランジットにかかる費用を少なくできるといったメリットもあります。これらの利点があることから、特に同じ規模の事業者間同士でピアリング接続を結ぶ場合は、通信費用が無償で済むことが多いです。
トランジット/ピアリング

まとめ

インターネットの普及に伴い、私たち生活は飛躍的に便利になりました。
普段オンラインショッピングができたり、ネットで映画やドラマが手軽に視聴できるのも、世界中のAS(自律システム)が「トランジット」や「ピアリング」によって相互に接続されているからこそ実現可能になっています。

ミテネインターネットでは、大規模バックボーンと広帯域接続による高品質なネットワークをお客様の環境、トラヒックに合わせてご提供可能です。今後もお客様が快適にインターネットをご利用できるよう、インターネット接続サービスの中枢となるバックボーンネットワークを増強に取り組んでまいります。

トランジットサービス https://www.mitene.co.jp/network/transit/

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